獅子座とライオン3


奇妙な共同生活が始まった。
女と暮らすのは初めてじゃあないが、ひとつだけ他と違っていたことがある。食事だ。
大抵はイタリアンだが、週に1、2度、の作った日本食がテーブルに並ぶのだ。
日本食も決して初めてじゃあないが、の作る料理はそれよりも遥かに美味かった。


初めてが日本食を出した時。

「あの・・レオーネさんのお口に合えばいいのですけど・・・」

いつものおどおどした感じで持って来た。
しかも、オレがパッショーネの一員だと知っても尚、レオーネと呼ぶ。
何口か食べて、こう言ってやった。

「キライじゃあないね」

そう、キライじゃあない。
の料理も、レオーネと呼ばれるのも・・・・・



奇妙な共同生活が半年も過ぎた頃。
はオレ達の生活の一部としてすっかり馴染んでいた。
スタンドの弓と矢のことについてはポルナレフさんと話し合ってるみたいだが、その他の時は、ブチャラティやジョルノの野郎の秘書みてぇなこともしている。
これが相変わらず有能で、ブチャラティは絶賛していた。

そして。
オレは、護衛だの監視だのという名目でと一緒に暮らしているわけだが、今まで、護衛だの監視だのそれらしいことをした覚えはない。
ただ一緒に暮らしている。
女と暮らしている、ただそれだけだ。


いつからだろうか、こんな気持ちに気付いたのは。
オレは自分の心境の変化に戸惑っていた。
こんな気持ち、きっと誰も望んじゃあいない。
オレだって、ブチャラティだって、・・・だって・・・・。

それなのに・・・・
テーブルに並んだ、いつものの日本食を前にしたら、つい口走っちまった。

「キライじゃあないね、おまえの料理も。おまえも」

「・・・・・・、えっ?!」

さすがに自分でもシマッタ、と舌打ちした。

「ど、どーゆー意味、ですか?!」

ふわふわした様と言えども、こればっかりは気になるらしい。

「どーゆー意味もあるか。つまりだな、おめえが好きってえことだよ!」

あぁ、言っちまった・・・・
取り返しのつかねぇ・・・・

「う、嬉しい、です・・・・」

・・・・は?
意外な言葉が返ってきやがった。

「私、てっきりレオーネさんに嫌われてると思ってたから・・・
 私も、レオーネさんが、・・好きなんです・・・・」

・・・・・・・・・

ありえねぇ。
こんな展開になるとは・・・・

「そうか。」

オレは何と言っていいか分からず、ただ、目の前の飯粒をかきこんだ。
目の前には、ニコニコ笑っている。
調子が狂う、こいつといると。
だが、それも悪くない。
そう思った。

・・・明日、ブチャラティに何と報告するか、が、たったひとつの悩みの種だった。


翌日。
いつものレストランで、ブチャラティを別のテーブルに呼ぶと、オレは相談を持ちかけた。


「なぁ、ブチャラティ、驚かずに聞いて欲しい」

「?なんだ、回りくどいな」

「・・・昨日、に好きだと言っちまったんだ」

「・・・・、それで、は?」

「それが、もオレのことを好きだ、と・・・・」

「そうか、恋仲になったわけだな?」

「そ、そうなるのか、やっぱり?」

「・・、もう、ヤッたのか?」

「まさか!SPW財団の人間だぞ?そうそう手が出せるか。
 それで、アンタに相談してるんだよ、ブチャラティ」

そこで、ブチャラティは、ふー、と、息を吐いた。

「好きにやればいいじゃあないか、SPW財団だのパッショーネだの関係無い、ただの若者だぞ」

言い方がなんか年寄りじみていたが、まぁ、それもそうか、と思った。

「じゃあ、ブチャラティ、アンタはオレとが恋人同士になっても問題無い、と言うんだな?」

「あぁ、そうだ」

「・・・分かった、ありがとう、相談して良かったよ」

オレが席を立とうとした時、

「アバッキオ」

ブチャラティが引き止めた。

「アバッキオは真面目すぎるんだ、少しくらい羽目を外してもいいとオレは思う」

「・・・・ご忠告、感謝するぜ。だが、これがオレだ」

そうそう性格を変えられるわけじゃあない。
だが・・・のお陰で、少しは変わったのか・・・・


「なんです?ふたりっきりで」

皆の居るテーブルに戻ると、フーゴが訊いてきた。

「今に分かるさ」

そう、今に、な・・・・・



TO BE CONTINUED


☆☆☆

アバッキオ第3弾。
て、展開が早くてすみませんッ。


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