強くなれ 3
私が人革連の軍に入ってから、約2年・・・
めまぐるしい訓練の日々の為、あっという間だったが、
未だにアレルヤの行方、生死すらも分かっていない状態だった。
こちらからはソレスタルビーイングに連絡はしておらず、
あちらからも、アレルヤが見付かった、という連絡は未だ入って来ていない。
もしかして・・・
もしかして、もう、死んでしまってるんじゃないか・・・
もう、逢えないんじゃないか・・・
そう考えると、震えが止まらず、何度も枕を涙で濡らした。
それでも、夢の中では、何度もアレルヤに逢った。
『、無理してない?』
そう言って、私を優しく抱き寄せ、綺麗な指で、頭を撫でてくれる。
『は頑張り屋さんだからね。
自分が出来るだけのことを、やればいいんだよ。』
アレルヤは、優しく微笑むと、私の頬にキスをくれた。
・・・うん、アレルヤ。
私、自分が出来るだけのことを、一生懸命やってみるよ・・・
あなたに再び逢えた時に、誇れるように・・・
それは、突然やってきた。
「、ちょっと。」
ピーリス少尉が、私を手招きする。
「はっ!何でしょうか?」
「今から、極秘任務にあたる。
も良い機会だから、一緒に来るといい。」
「はっ!お供します。」
ピーリス少尉に伴われてやって来たのは、大きな格納庫。
中に入ると、薄暗い内部に、1つだけライトが照らされ、
格納庫に収められている巨大なモノを浮かび上がらせていた。
「こ・・これは・・・」
私は、驚きのあまり、声が出せなかった。
「これが・・先の大戦で我々が闘った、ガンダムだ。」
そう、そこには、大破したキュリオスがあった。
「・・・上から、見ても・・・?」
「あぁ。では、そちらの階段から上ろう。」
私は、震える手足を落ち着かせ、ゆっくりと階段を上った。
上から見下ろすと、コックピットまで損傷している。
「!!!!」
声にならない悲鳴を上げてしまった。
この破損の状態・・・
もしかして・・・もう・・・
「これが、我々を苦しめた、羽付きガンダムだ。」
ピーリス少尉が苦々しく言い放つ。
「・・あの・・少尉・・・」
「何だ?」
「このガンダムに乗ってたパイロットは・・・」
「あぁ、被検体E57のことか。」
「被検体E57?」
「このパイロットは、超兵機関に所属していたらしく、そう呼ばれていたらしい。」
「その、人は、今・・・」
アレルヤの行方を知りたくて、震える声を必死に絞り出した。
「今、別の場所にて拘束中だ。」
「・・・拘束・・・」
私は、その言葉をかみしめた。
生きてる。
拘束されているとは言え、
アレルヤは生きている!!!!
私は、喜びの余り、眩暈がしそうだった。
あぁ、やっぱり軍に入って良かった!
私の判断は、間違っていなかった!!
私は、暗闇の中に一筋の光を見た思いがした。
ようやく、一歩前に進めた。
生きているなら、絶対に逢える。
でも・・・
殺される可能性だってあるわけだから・・・
早く、早く見つけ出さなくちゃ!!!
おしまい。
☆☆☆
キュリオスとの対面。だいぶ破損してたよね・・キュリオス・・・
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