強くなれ 4


キュリオスを調査した後、
ピーリス少尉と一緒にお昼を食べている。

、どうした?顔色が優れないようだが?」

私は、少し思案し・・・

「あの・・ピーリス少尉・・・
 実は・・・ガンダム、なんです・・・」

「?」

「私の恋人が、行方不明になったのは、ガンダムが関係しているんです。」

「なんだって?!」

「あの、ですから、そのパイロットに会って、恋人の行方を知らないか、
聞いてみたいな、と思いまして。」

「そうか・・・
 だが、それは少し難しいかも知れないな・・・」

「何故です?」
私は必死に問いかけた。

「拘束場所は、私にも知らされていないんだ。
 中佐なら何かご存知かも知れない。聞いてみる。」

「宜しくお願いします。」
私はふかぶかと頭を下げた。



これで、アレルヤの居場所が分かるかもしれない。
待ってて、アレルヤ!!


それから数日後。

ピーリス少尉から、中佐でもご存知無い、という報告を頂いた。


・・・どこまでも、隠しておきたい存在なんだな・・・


私は、一縷の望みがまた薄れた気がした。



それから更に数週間後。

私は、キュリオスを発見してから、ある計画を立てていた。
キュリオス遭遇直後に行うと、私に疑いの目がかかるかもしれなかった為、
時期をずらして、ようやく、今日、決行しようと決めた。


夕食時。

私は、他の先輩方と夕食を食べながら・・・
テーブルの下で携帯を操作した。


直後。

大きな爆音が轟く。

キュリオスを収めている格納庫が爆発したのだ。
私が仕掛けた大量の爆弾によって。

今更だけど、敵の目にこれ以上キュリオスを曝す気にはなれなかった。
キュリオスをこのままにしておく位なら、私の手で・・・

そう、思った。


私は、他の皆と一緒になって、格納庫へと走った。
そこには、跡形も無くなったキュリオスの破片が飛び散っていた。


野次馬のように走り回る兵をよそに、
私はただぼんやりと、燃えゆく炎とキュリオスの破片を見つめていた。


思えば、アレルヤに出逢ったのは、このキュリオスがきっかけだった。
私がキュリオスの整備をしていたから、アレルヤに出逢えたのだ。




『あ、あの…何か…?』

私がソレスタルビーイングに入って、まだ間もない頃。

キュリオスの整備中、知らない男性が、私の本をパラパラとめくっていた。
私は、恐る恐るその人に声を掛ける。

『あぁ、ゴメン、邪魔して…僕は、アレルヤ・ハプティズム。
このキュリオスのガンダムマイスターだ。』

『!
 キュリオスの!ゴメンなさい!
 私、まだ皆さんのこと覚えて無くって…失礼な事を…』

『いや、そんな…気にしないで。それより、この本、君のかい?』

アレルヤは、とても柔らかく笑って話しかけてくれた。

『あっ、はい。凄く感動するお話で、私、大好きなんです。何度も読み返してて…』

『もし、良ければ…この本、貸してくれないかな。読んでみたいんだ。』

『!
 良いですよ。是非、読んでみて下さい、アレルヤさん♪』

『ありがとう。それと…アレルヤ、で良いよ。これから宜しくね、。』

そう言うと、アレルヤはにっこり笑ってくれた。




アレルヤと出逢わせてくれて、ありがとう、キュリオス。
そして・・・さよなら・・・
私、キュリオスに誓うよ。
絶対に、アレルヤを見つける、って。
絶対に、アレルヤを助ける、って。


私は、格納庫をあとにした。


おしまい。


☆☆☆

さよならキュリオス・・・なんかちょっと短い気がしますが・・・

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