太陽
「ふあ〜〜あぁ、」
麗らかな春の昼下がり。
sakuraとかゆー花の木の下で、俺は寝っころがって、間抜けな声で欠伸をひとつ。
隣りには、愛しい。
俺が俺だと気付くと、少し驚いた顔をして、そして、俺の欠伸を笑った。
これが、平和、ってやつなのか。
超兵としてはなんだか慣れねーが、ま、悪かねぇ。
空を見つめると、花に、太陽が重なって、きらきらと眩しい。
綺麗だ、と、素直に思う。
それを遮るように、が俺を覗き込む。
「ハレルヤ。元気だった?」
それを俺に聞くか。
可笑しさで、ふっ、と笑みがこぼれた。
「ああ。俺はいつだって元気だぜ?
アレルヤの馬鹿が、風邪でもひかねー限りは、な。」
そう応えると、は少し哀しげな顔をした。
そして、起き上がった俺に、ぎゅっとしがみついた。
「そうじゃ、・・なくて・・・
最近、ハレルヤと会えなかったから・・・」
「寂しかったか?」
「うん・・・」
「・・・そっか・・
だがな、俺はアレルヤの【一部】でしかない。
いつ消えるか分かったもんじゃねぇ。
・・・俺のことは、・・忘れろ。」
「っ!!」
が、パッと、俺から離れる。
涙目の、。
俺の表情を読んで、本気だ、ということが分かったらしい。
「そ、そんなの・・出来ないよ。
私、アレルヤは勿論、ハレルヤも好き。大好き。
だから、居なくなるなんて、言わないで。
忘れろ、なんて、言わないで・・・」
瞬きとともに、涙が零れる。
は、俺を抱き締めた。
ああ・・・
そうだ。
こう、太陽みてーなが居るから・・・
心地良いから、・・・つい、存在しちまう。すがっちまう。
まだ、・・・消えたくない、と、思って、しまう。
俺の、決心が、いつもグラついちまう・・・
だが・・・
それでいい、と、今は不思議とそう思えた。
俺は、の背中に腕を回し、抱き締め返した。
「ああ、悪かった。
もう、消えるなんて、言わねぇよ。
・・・だが、今は・・・
しばらく、・・このまま、眠らせてくれ。」
「うん。・・・おやすみなさい、ハレルヤ。
また、今度。
良い夢、見てね。」
「ああ。お前の夢、見るよ。」
を見上げ、口角を上げてにやり、と笑うと、
柔らかいキスが降ってきた。
ああ、これで、ゆっくり、眠れそうだぜ。
が、俺を強く抱き締める。
おやすみ、。
・・・またな。
「・・・あれ?僕・・・」
ぼんやりしていた僕は、いつの間にか、の腕の中に居た。
まるで、子供が母親に抱かれているような、そんな温かな感覚。
「?」
僕を抱き締めているを見上げると、
・・・泣いて、いたの・・・?
「どうか、したの?」
心配になって、の腕を解き、頬の涙の跡を出来るだけ優しく拭った。
「うぅん。大丈夫。
なんか、ほっとしちゃって。
ほら、桜も、綺麗だし。」
は、太陽のように眩しく笑って、sakuraを見上げた。
僕もその笑顔に安心して、一緒に、空を仰いだ。
綺麗な空と、sakuraだ。
ハレルヤ、見てるかい?
僕ね、と、お花見に来たんだよ?
・・・やっぱり、ハレルヤからは返事が無い。
もう、居ないんじゃ・・・
うぅん、そんな風に考えるのはよそう。
ハレルヤは、僕だ。
ちゃんと、ここに、居る。
僕は、胸に手を当て、ハレルヤのことを想い、
そして、隣りに居ると、笑い合った。
☆☆☆
色んな解釈の出来るアレルヤソング『太陽』。
私は基本的にハレルヤサイドだと思っているのですが。
今回は、太陽=ヒロインちゃん。
そして、ハレルヤの存在がいつか無くなってしまうのでは無いか?という危惧に焦点を当てて解釈してみました。
そしたら、こんな、ちょっとハレルヤがポエマーな感じになってしまって。
でも、書いてて楽しかったです。
ハレルヤのつんでれは基本ですね。
あんなしてても、絶対、優しい。ますます惚れてしまいますよね。
↓宜しければ感想などどうぞ♪
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