雪の涙
あれは、2年前。
あなたに初めて逢った時…
それは、まるで夢の中の御伽噺の続きのよう。
私の目の前の全てが、まさに色鮮やかに輝き始めた。
それまでと同じ世界だというのに。
これが、恋をする、ということなのかな…
それから、世界は一変した。
あなたの傍に居ると、とてもどきどきした。
あなたが隣りに居ると、
ただ、黙って隣りに居るだけなのに、
だたそれだけなのに、
世界が輝いて見える。
あぁ、生きている、と実感する。
あなたに出逢えて、本当に良かった、と感じられる。
これは、もう、奇跡だと思った。
こんな素敵な気持ちになるなんて、
奇跡以外のなにものでもなかった。
ただ、あなたが隣りに居るだけで。
そんな毎日が、ずっと続くのだろうと、私は思い違いをしていた。
世の中では、戦争や争い事が続いていたけれど、
そんな世の中を変えようとする組織の中に居たけれど、
それでも、
こんな幸せが、ずっと続くのだろう、と。
この先の未来も、ずっと一緒にいられるのだろう、と。
儚い勘違いを私はしていた。
でも、出逢いから1年ちょっと…
それは、間違いだったと気付かされた。
突然、私の目の前から、雪のように消えてしまったあなた。
私の恋も、
私の幸せも、
あんなに輝いて見えていた世界も、
あなたと共に、私の目の前から消えてしまった。
何が起こっているのか、分からなかった。
分かりたくなかった。
あなたはすぐに帰って来る。
そう信じていたから。
そう思い込みたかったから。
だから、何も分かりたくなくて、泣きたくもなくて、
それなのに、…
私は、皆の居る前で、逃げ出せもせず、
ただ、立ち尽くして泣き続けた。
あなたの名前を叫びながら。
声が、枯れるほど泣いた。
アレルヤ。アレルヤ。アレルヤ。
ハレルヤ。ハレルヤ。ハレルヤ。
あの時。
あなたがキュリオスに乗り込む後姿。
私は痛む心で送り出していた。
本当は全然平気じゃなかったのに。
一秒も離れたくなかったのに。
でも、ミッションだから、平気な振りして、見送った。
それを、あなたは、気付いてくれていたよね。
ぎゅっと私を抱き締めて、
大丈夫だよ、、すぐに帰るよ、と。
そう言って、キュリオスに乗り込んだよね。
宇宙へと消えてゆく、キュリオスと、あなたの後姿。
あの時、止めれば良かったのかな。
一緒に、キュリオスに乗れば良かったのかな。
そうすれば、ずっと一緒に居られたのかな。
けれど、
どんなに後悔しても、
どんなに「もしもあの時、」と考えてみても、
あなたはここには居ない。
取り残された私だけが、動けずに居る。
あなたが居なければ周らないと思っていたこの世界は、
悔しい程に、前と変わらず周り続けているのに。
あなたが居ないこの世界の景色は、色褪せてゆく。
あなたに出逢う前と同じように、まるで灰色の世界。
ねぇ、知ってる?
今日は、あなたの誕生日。
この、降りしきる雪の中に、涙が、さよならが、積もってゆく。
それでも、きっとまだあなたは、
どこかで生きてくれている。
どこかで待っててくれている。
そう、私のどこかで祈ってる。
ううん、これは、祈りではなく、願い。
アレルヤ。アレルヤ。アレルヤ。
ハレルヤ。ハレルヤ。ハレルヤ。
この声が、いつか、届くように。
私も、動き出さなくちゃ。
また、この世界を鮮やかに色づかせられるように。
また、あなたを隣りで感じられるように。
また、あなたと未来を分け合えるように。
アレルヤ。アレルヤ。アレルヤ。
ハレルヤ。ハレルヤ。ハレルヤ。
この声が、あなたに届くように。
私は、動き始める。
おしまい。
☆☆☆
なんだかちょっとポエマーな感じになってしまいましたが。
大好きなしょこたん(中川翔子ちゃん)の『snow tears』を聞いていると、
きっとヒロインちゃんはこんな気持ちなんだろぅなぁ、と、とても切なくなってしまって、書いてみました。
…けど、これ、アニメ『墓場鬼太郎』のEDなんだよね。。。ま、いっか。
↓宜しければ感想などどうぞ♪
【戻】