もしもアレルヤが先生だったら


今日は卒業式。
3年間通ったSB高校ともお別れ。
そして・・・

大好きなアレルヤ先生とも・・・


アレルヤ先生は、2年生の時から担任になった先生。
でも、好きになったのは、入学してすぐ。
職員室や廊下で見掛けるたび、
優しそうな瞳と精悍な顔つき、筋肉が程よくついた綺麗な体、
その全てに目を、心を奪われた。

アレルヤ先生が私たちの担任になり、毎日顔を合わせるようになってからは、
先生の穏やかな性格も知って、
1年の頃より、もっと好きになってしまった。

こんな恋、報われるわけ無いのに・・・



式も終わり、あとは帰るだけ。
皆、校門の前や校庭で、写真を撮ったり騒いだり。

私も、せめて写真だけでもアレルヤ先生と一緒に、と思って探すけど、
肝心の先生の姿が見当たらない。

校内をぐるぐる探して、ふと、校舎を見上げると・・・
教室の窓辺で、外を眺めているアレルヤ先生と目が合った。
先生は、一瞬驚いた顔をして、そして、にっこりと微笑んでくれた。

私は慌てて駆け出した。
校舎内へ、そして、教室を目指して階段を駆け上がる。

教室の扉を開くと、アレルヤ先生が、相変わらずの柔らかい笑顔で迎えてくれた。

「あの、・・・先生っ、・・・」

私は、荒い息を整えつつ、一歩ずつ、先生へ近付く。

・・・写真を、一緒に、撮って欲しい、と。
そう、言葉を口にしようとした、その時・・・

「さっきね、」

アレルヤ先生が、嬉しそうな顔をして、切り出した。

「走り回るを眺めてたら、突然目が合ったから・・・
 驚いちゃったよ。」

とびきりの笑顔のアレルヤ先生。

どくんっ

心臓が跳ねる。


本当は、一緒に写真を撮って貰うだけで満足だったのに・・・
・・・欲が、出た。

私の気持ちを、知って欲しい・・・、と。

「せ、先生、・・・私・・・」

「ん?」

一歩、また、前に出る。
もう、先生は、目の前。

「先生、あの、私、・・・私、先生のことが・・・
 す、・・す・・・」

次の言葉を言おうとして、でも、
先生の驚いた顔を見たら、好きです、なんて、言えなくなった。

そうだよね。
先生、驚くよね。困るよね。

きゅん、と、胸が締め付けられて、苦しくなって、何も言えない。

私が俯くと、先生が急に私の手を取った。
指を、絡めて。
驚いて顔を上げると、目の前にアレルヤ先生の綺麗な顔。
輝くオッドアイに私の顔が映る。

「僕もね、おんなじ気持ちなんだよ。」

「えっ?」

訊き返す間も無く、先生の柔らかい唇が私の唇にそっと触れた。

・・・先生と、キス、・・・

「僕もね、を繋ぎとめておきたい、って、思ってたんだ。ずっと。」

耳元でそう甘く囁かれ、頭がぼーっとする。

「ほ、ほんと、に・・・?」

涙目でようやくそう訊き返すと、こくり、と優しく頷かれ、
今度は、口内を貪るような、熱いキス。

「好きだよ、・・・、離したくない・・・」

「私もっ、・・アレルヤ先生、好き・・っ・・・大好きっ・・・」

キスの合間に、うわごとのように何度もそう囁き合う。
指を絡めて、体を密着させて、ここが学校だということも忘れ、
先生と私は飽きることなくお互いの唇を貪りあった。



「はぁ・・・」

教室がオレンジ色に染まり、校庭に残っている生徒の数もまばらになった頃。
私はひとつ溜め息を吐いた。

先生と両想いになったのは良いんだけど・・・

「これからは、毎日、先生と会えないんですよね・・・寂しいです・・・」

そう呟けば、先生は、きょとん、とした。

「そんなことないよ?
 家はそんなに遠くないし、僕、毎日でもに会いに行くよ?」

さも、当然のように、平然と言ってのけるアレルヤ先生が頼もしい。
嬉しくなって、絡めた指の力を強め、またひとつキスをした。


☆☆☆

えと、家庭訪問とかで、ヒロインちゃんの家を知ってた、という設定で。
(じゃないととんでもない先生になっちゃう^^;)
アレルヤ先生もヒロインちゃんが1年生の頃から気になってて、目で追ってたりしたらいいよ。

↓宜しければ感想などどうぞ♪


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