もしもアレルヤがお隣りだったら


私のお隣さん、兼、恋人は、ちょっと、変わってる。

「おはよう、。良いお天気だね。
 こんな日は、学校じゃなくて、ピクニックにでも行きたい気分になるね。」

お隣りの玄関から顔を出し、私の隣りを歩くアレルヤ。

「ハッ!!ピクニックだと?あめぇーんだよ、おめーは。
 こんな日は、アレだろ、。青か・・」

「わーーー!!!!」

イヤラシイことを口走ろうとしたハレルヤを遮るように、叫ぶアレルヤ。
驚いた私は、耳を塞ぎながら、ちょっと口を尖らせる。

「もう。アレルヤったら。ビックリするじゃない。」

「ご、ごめんよ、。でも、ハレルヤが・・・」

「うっせー。俺はやりたいことをやり、言いたいことを言う。それが俺のやり方だッッ!!」

私は、軽く溜め息を吐きながら、それでも、愛しいアレルヤとハレルヤの手を握った。
途端に、アレルヤの頬が染まり、笑顔になる。
すると突然、ハレルヤがニヤリと口角を上げて笑い、私を抱き寄せ深いキスをした。
わざと大きなリップ音を立ててハレルヤの唇が離れる。

「ちょっ・・ハレルヤっ・・こ、こんな道端で!いつも、やめて、って言ってるでしょ!」

私はどん!とハレルヤの体を押したが、ものともせず、
今度は、アレルヤが、

「ハレルヤだけずるいよ!僕もっ」

と、これまた息も続かないくらいのキスをする。

「んーーっ、んーーーっっ!!」

アレルヤの逞しい胸をどんどんと叩くと、ようやく解放された。

「んっ、はぁっ・・」

アレルヤの吐息と、潤んだオッドアイ、染まった頬を見ると、私まで頬が赤くなる。

「ほら、。手。少し急ごうか。学校、遅れちゃうよ?」

「誰の所為だと・・・」

「ふふっ・・ごめんね。僕達の所為だね・・・」

悪びれもせずそう言うアレルヤの手を取ると、私たちは学校へ急いだ。


傍から見ていたら、何の変哲もない一人の女子高生と、「一人の」男子高生が、いちゃついてたように見えたはず。
だけど、その一人の男子高生の態度が、くるくると、変化する。
まるで、「二人」、存在するかのように。

・・・そう。「変わってる」お隣さん、と言うのは・・・

アレルヤとハレルヤは、同一人物。
俗に言う、二重人格なのだ。

今朝みたいなことで、ちょっと困ったりもするけれど、でも、それでいいと思っている。
だって、もし、双子だったりしたら、と思うと、そっちの方が困ってしまう。
どっちかなんて、選べない。

昔、二人の人格を持った、一人の少年を、まっぷたつにして、愛し合った少女の話を読んだことがあるけど、
そんなことできやしない。
だって私、アレルヤも、ハレルヤも、二人(?)とも、大好きなんだもの。
だから、ずっと、このままで・・・・・・


☆☆☆

ちょっとオカシイ少年に似合いの少女、といったところで☆

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