ROMANTIST TASTE
『、君からの電話、待ってたんだ・・・』
私、 は、青学中等部1年。テニス部在籍。
最近、私にはとても気になる人がいる。
それは・・・
『・・・どうしたの?』
受話器の向こうから、優しい声が聞こえた。
「あ、いえ・・・。
あの、不二先輩。明日、お時間ありますか?良かったら、また、コーチをお願いしたいんですけど。」
私は、胸のどきどきを抑えながら言った。
『明日?・・・うん。いいよ。もうすぐ都大会だからね。練習しなきゃね。』
やったぁーーー!!
『じゃあ、明日ね。遅刻しないでよ、。』
不二先輩はくすりと笑って、電話を切った。
☆☆☆☆☆
翌日。
とても天気の良い日曜日。
こんな日は、練習なんかじゃなくて、どこかに出かけたいな・・・なんて思ってみたり。
いけない、いけない。
不二先輩がコーチしてくれるんだから。
練習、頑張らなくちゃ!!
コートに行くと、もう不二先輩の姿が見えた。
「!すみません!遅れて!!」
慌てて謝ると、
「でも、約束の時間には、まだ早いよ。気が早いね、お互い。」
不二先輩は、優しく笑った。
「ねぇ、・・・」
練習が一段落ついた時、不二先輩が私の隣りで言った。
「こんなに天気が良いんだもん、どこか、遊びに行っちゃおうか?」
不二先輩は、ちょっといたずらっぽく笑った。
不二先輩が、私と同じコト考えてたなんて・・・意外。
☆☆☆
私たちは、ロザリアンのサンドイッチと紅茶を手に、噴水のある公園に着いた。
吹き上がる水の上で、キラキラと虹が咲いていた。
「ここ、僕のお気に入りの場所なんだ。よく、写真も撮りに来るんだよ。
にも、気に入って貰えたら、嬉しいな・・・。」
不二先輩は、つぶやくように私に向かって言った。
「綺麗・・・。噴水もあって・・・素敵な公園ですね。」
隣りに座って紅茶を飲む不二先輩にどきどきしながら、応えた。
くすっ。
突然、可笑しいモノでも見たかのように笑う不二先輩。
「?何ですか?」
「いや・・・なんだかね。
これって、デートみたいだな、って。ふふっ。」
!!
「せ、先輩!!ナニ言って・・・」
「ふふっ。
良かったよ。と一緒に、ここに来れて。
と一緒に、この景色を見ることが出来て。
ありがとう、。」
不二先輩の瞳が優しく笑った。
・・・あぁ。
私、すごく好きだ・・・。
不二先輩のこと。
すごく、大好きだ・・・。
「。また、誘ってね。練習。
君と一緒にテニスをやれて、すごく嬉しいんだ。」
「不二先輩・・・そんな。私こそ、いつもコーチして貰って・・・。
また、お願いします!」
私は、赤くなった顔を隠すように、深々とおじぎをした。
私たちは、景色がオレンジ色に染まる頃、帰路についた。
☆☆☆☆☆
あぁ。
今日はなんて良い一日だったんだろう!!
不二先輩の優しい笑顔。
思い出しただけで、顔が赤くなってしまう☆
さぁ。
明日からはまた、学校と部活の一週間が始まる。
不二先輩に見られて恥ずかしくないように、勉強も、テニスも、
そして、ちょっぴり(いや、たくさんかも?)恋も。
頑張らなくっちゃ!!!
おやすみなさい、不二先輩・・・
おしまい。
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