smile


全国大会を明日に控えた僕は眠れず、いつになくそわそわしていた。

・・・落ち着かない・・・

こんな夜は、に会いたい・・・

僕は、無意識のうちに「の自宅の電話番号」と「通話ボタン」を押していた。

は、女子テニス部一年だけれど、男女混合として、
一人だけ、うちの男子テニス部で活動している。

そして、明日の全国大会のダブルスで、僕とコンビを組むことが決まっていた。


は、僕の様子がいつもと違う、と、敏感に悟ってくれて、
夜の公園で、少しだけ話をしよう、というコトになった。


星が瞬く中、僕とは静かに向かい合った。

「どうしたんですか?不二先輩?」

が心配そうに僕の顔を覗き込む。

「なんだか、いつもと違うみたい・・・?」

「・・・明日のコトを考えると、なんだか落ち着かないんだ。
・・・不安・・・なのかな・・・?」

「・・・不二先輩・・・」

僕を見て、沈む

・・・後輩を不安にさせて、どーすんだよ、もう、僕はッ。

「・・・らしくないよね、ごめん・・・。」

僕は自嘲気味に笑った。

「・・・らしくない、・・・です。」

が、拳をぎゅっと握り締め、僕を見つめた。

「不二先輩。明日は、大丈夫です。
私も、不二先輩にたくさんたくさんコーチして貰ったし、
少しは強くなったつもりです。

先輩には、私がついてますから。
私じゃ頼りにならないかも知れないけど・・・
私、先輩の支えになりますから。

いつもみたいに、笑って下さい。

いつもみたいに、不二先輩らしく、笑って下さい。」

は、そこまで言うと、深く息をついた。

僕は、の気持ちが単純に嬉しかった。

すごく、を、愛しいと思った。
理性が勝っていなかったら、きっと、を抱き締めていただろう。

「ありがとう、
・・・でもね。僕、いつでも君に頼ってるんだよ。
つい、甘えてしまって、今だって、こうして会って貰ってるし・・・。

・・・そうだね。
いつもみたいに、笑って、そして、一緒に勝とうね。明日。

ありがとう、。もう、大丈夫だよ。」

そう言って、僕は、にっこり笑った。

うん。いつもの笑い方だ。
自然に笑うコトが出来た。

僕の笑顔を見て、も、とびきりの笑顔を僕に見せてくれた。



笑顔を大切に。

笑顔を大切に。

美しい笑顔を大切に。

Always SMILE


おしまい。


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