[PR] この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。
お祝い
「お誕生日おめでとう!京介さん!!」
☆パパーーン♪☆
クラッカーの音が弾ける。
ここは、僕が利用しているホテルの一室。
美月と二人っきりでの誕生パーティだ。
正直、もうこんな年だから、
あまり誕生日を迎えたくない、という気もするが・・・
美月がお祝いしてくれるのだから、嬉しいに決まってる。
「ありがとう、美月。」
誰にも見せないような、
満面の笑みで美月に応える。
「ほら、この苺のムースケーキ!美味しそうでしょ?!」
えへへ、と、照れたようにピンクのケーキにろうそくを灯す。
「はい、京介さん。火、消して。」
美月が微笑んで見守る中、僕もなんだか照れてしまったが、
ふーっ、と、一気にろうそくの火を吹き消した。
「おめでとう~~!!」
ぱちぱちと力いっぱい拍手する美月。
なんだか、思うところがあるようだ。
「・・どうかした?美月?」
ケーキを頬張りながら、それとなく聞いてみる。
美月は、はっ、となり、ちょっと微笑んで、ゆっくりと話し出した。
「ん・・・えと・・ね。
・・京介さんが生まれてきてくれて、
そして、長生きしてくれて・・・
私、本当に嬉しいの。
そのお陰で、私と出逢えて、
こうして二人で過ごせてるから・・・
京介さん、本当に・・・
生まれてきてくれて、ありがとう・・・」
美月は、少し潤んだ目で、僕を見つめた。
今度は、僕が、はっ、となった。
僕は、一度、
「化け物」
と言われ、殺されている・・・
そんな僕が・・・
生まれてきて、良かった、と・・・。
そう言ってくれる人は、この世にどれだけいるだろう。
僕は、これまで以上に、美月を愛しく想った。
「ありがとう、美月。」
僕は、温かい美月の手を握り、そう返した。
こうやって、二人で素敵な時間を過ごせるなら、
年を取るのも悪くない。
また、来年も、
そして、その次の年も、
こうして祝って貰おう。
愛しい君に。
おしまい。
2011年4月15日、兵部少佐お誕生日おめでとうございます☆ミ
↓宜しければ感想などどうぞ♪
【戻】