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お祝い




「お誕生日おめでとう!京介さん!!」

☆パパーーン♪☆

クラッカーの音が弾ける。


ここは、僕が利用しているホテルの一室。
美月と二人っきりでの誕生パーティだ。

正直、もうこんな年だから、
あまり誕生日を迎えたくない、という気もするが・・・

美月がお祝いしてくれるのだから、嬉しいに決まってる。


「ありがとう、美月。」

誰にも見せないような、
満面の笑みで美月に応える。


「ほら、この苺のムースケーキ!美味しそうでしょ?!」
えへへ、と、照れたようにピンクのケーキにろうそくを灯す。

「はい、京介さん。火、消して。」

美月が微笑んで見守る中、僕もなんだか照れてしまったが、
ふーっ、と、一気にろうそくの火を吹き消した。

「おめでとう~~!!」
ぱちぱちと力いっぱい拍手する美月。
なんだか、思うところがあるようだ。

「・・どうかした?美月?」
ケーキを頬張りながら、それとなく聞いてみる。

美月は、はっ、となり、ちょっと微笑んで、ゆっくりと話し出した。

「ん・・・えと・・ね。
・・京介さんが生まれてきてくれて、
そして、長生きしてくれて・・・
私、本当に嬉しいの。

そのお陰で、私と出逢えて、
こうして二人で過ごせてるから・・・

京介さん、本当に・・・
生まれてきてくれて、ありがとう・・・」

美月は、少し潤んだ目で、僕を見つめた。


今度は、僕が、はっ、となった。


僕は、一度、
「化け物」
と言われ、殺されている・・・

そんな僕が・・・
生まれてきて、良かった、と・・・。

そう言ってくれる人は、この世にどれだけいるだろう。

僕は、これまで以上に、美月を愛しく想った。

「ありがとう、美月。」

僕は、温かい美月の手を握り、そう返した。


こうやって、二人で素敵な時間を過ごせるなら、
年を取るのも悪くない。

また、来年も、
そして、その次の年も、
こうして祝って貰おう。
愛しい君に。


おしまい。


2011年4月15日、兵部少佐お誕生日おめでとうございます☆ミ

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