天使のざわめき 悪魔のささやき



がファントムファイヴ家に居候を始めて、数日。。。

どんがら がっしゃ〜〜ん・・・

メイリンのたてた物凄い音に、がびっくりしながら、自室から飛び出して来た。
見ると、メイリンが大量の荷物をぶちまけている。

「あの・・なにかお手伝いしましょうか?」
「!とんでもないですだ!
お客様にこんなことさせられないですだよ!!」
「え・・でも・・
わたくし、居候の身ですし・・・」

「そうですよ。様はゆっくりなさっていて下さい。」
仁王の如く両腕を組み、怒りで眉を引きつらせながら、セバスチャンが出てきた。

「セバスチャンさん・・」
「メイリン、早くここを片付けてしまいなさい。」
「は、はいですだ!」

様は、こちらへ。」
セバスチャンは、自然にの手を取り、促した。

触れた指先が喜びで震える。

・・こんな気持ちは初めてですね・・・

自嘲しながらも、何故か嫌な気分では無かった。
むしろ、甘美な快感がセバスチャンの奥底をくすぐった。


手を引いたまま、セバスチャンはを庭のガーデンテーブルへと導いた。

「さぁ、様。
こちらに、アフタヌーンティーをご用意しております。
ゆっくりおくつろぎ下さい。」
「ありがとうございます。」

薫り高い紅茶を楽しみながら、木立の小鳥の囀りに耳を傾けているを見つめ、
「・・様は、語学の為にこちらに来られたのでしたね。」
の瞳をこちらに向けたくて、セバスチャンから言葉を発した。

「はい。でも、難しくてなかなか・・」
困ったように微笑む

その顔にまたしても、ほう、と溜息をつくセバスチャン。

「お上手な英語ではありませんか。
それでも・・難しいと仰るなら・・・」

そっと、の顔に、自身の顔を近づけ、

「・・私が教えて差し上げてもよろしいですよ?」

甘く、耳元でささやいた。

そんなセバスチャンの声に、真っ赤になる
悪魔のささやきとも知らずに・・・

「あ・・あの・・・
ありがとうございます。
それじゃあ・・お願いしようかしら・・・
あっ、でも、お忙しいなら、あの・・」

嬉しい反応に、今度はセバスチャンが目を輝かせる。

「いえ。
仕事の合い間でよろしければ、いつでも。
分からないところは、何でも聞いて下さいね。」

にっこりと極上の笑みを浮かべて、満足げに立ち去るセバスチャンであった。


おしまい。


******

セバスチャンに紅茶を淹れて貰いたい。。。
早くふたりを進展させたいなぁ〜、と思って書きました☆


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