1家庭教師とオレ


「ナランチャ、君の先生です。」

ある日の昼下がり。
ミスタとアバッキオと一緒に、馴染みの店でのんびりケーキを食べていたら、
フーゴが入って来るなり、そう言い放った。


・・・は?先生ぃいい??


ぽかん、とするオレの前に、フーゴと、その後ろに、控えめに女の子が立った。


ズキューーーンンン!!!!!


激しい爆音とともに、オレの頭からつま先にかけて、
電気が走ったみたいな衝撃が駆け抜けた。


・・なんだ、これ・・・?!!
スタンド攻撃か?!!

キョロキョロと周りを見回すけど、なにも怪しいものはない。。。
なんだろう。これ・・・


「なにしてるんです?ナランチャ。
 それより、ほら、この子が君の先生ですよ。」

「あの・・初めまして。と言います。宜しくお願いします。」

女の子が、おずおずと自己紹介をし、ぺこり、とおじぎをした。
オレたちギャングには似つかわしくない、清楚な感じだ。

「よっ・・よろしく・・・ぅ・・・」

オレはみっともない程、どもりながら、やっとそう返した。
なんか、頭に熱があるみてーに、うまくしゃべれねえ。なんだこれ。

はですね、僕と同じ年なので、ナランチャより1つ年下になりますが、
 とても頭が良いんですよ。
 日本からこちらに交換留学生って制度で来てるんです。
 ちょうど、が家庭教師のアルバイトを探しているのを、僕が見つけたんです。」

フーゴがなんか言ってるが、頭に入らねえ。
オレの目には、の笑顔しか映ってねえ。

オレは、ごくり、と喉を鳴らした。


「ちょっと、ナランチャ、ちゃんと聞いてますか?!
 ・・まあいいや。
 さ、、こっちに座って。」

フーゴが、オレの隣りの椅子をに勧めた。
が座ると、ふわっといい香りが鼻をかすめる。
なんか余計に、心臓を鷲掴みされたみたいに、どきどきする。

「今日は算数をしましょう?」

オレに向かって、微笑みながら、テキストを出す
不恰好に頷くことしか出来ねえ。


オレとが勉強を始めた後ろのテーブルで・・・

「なんか、ナランチャおかしくないですか?」
ウエイターが持ってきたばかりの水を飲みながら、フーゴが二人に向かって話す。

「これは・・アレだな。」
ミスタが、にやにやしながらアバッキオに目配せする。

「ああ。アレ、だな。」
アバッキオも、ミスタを見、そして、オレを見ていた。


そんな3人のやり取りなんて全然知らずに、
オレは、との初めての勉強を、懸命に終わらせた。
あーくそ、シャーペン持つ手がなんか震える。


「じゃあ、ナランチャさん、これ、宿題です。」

「・・うん、わ、分かった。
 ・・・な、なあ、その、・・ナランチャさん、っての、やめろよ。
 ナランチャ、でいーからさ。」

が、きょとんとする。
そして、くすり、と笑い、

「じゃあ、ナランチャ。私も、、って呼んで下さいね。」

オレは舞い上がりそうな気分で、
「・・・・・・」
そう、呟いた。

「はい。」
は、オレの呟きに、にっこり笑って応えた。

なんか、やべえ。
オレ、やべえ。

「それじゃ、ナランチャ。また今度。」
そう言って、は立ち上がった。

フーゴがそれを見て、
「あ、送って行きます。」
と、ソファから立ち上がった。


ずきん。

なんか・・ヤだ、オレ。
・・・オレが・・・

「いや、フーゴ!オレが送ってくぜ。」
椅子が倒れそうになる程、オレは勢いよく立ち上がり、
の後を追うフーゴの前に立ちはだかった。

「・・・??・・・
 そうですか?」

じゃあ、と言って、フーゴはソファに座り直した。
そんなオレの行動を見ていたミスタとアバッキオが、二人目配せして、にやりと笑っていた。

なんだ??
・・まあいいや。

オレは、事の顛末を眺めているの傍に行くと、
行くか、と言って、彼女を促した。


が歩く度、そよかぜのように、
彼女からいい匂いがする。
オレはそれをもっとよく嗅ぎたくて、くんくんしてたら、
のすっごい近くに顔を寄せてしまっていた。

「?」
が、きょとんとした顔でオレを見る。

「!!」
やっべえ。
オレは、何でもない顔をして、急いで距離を取り、そっぽを向いた。


「ナランチャ。」
突然、に名前を呼ばれて、どきん!と、心臓が跳ねた。

「え、な・・なに??」
どきどきしながらを見ると、

「あの・・ここです。」

「・・・???
 ・・なにが??」

「あの・・私の・・アパートです。」
が指差した先には、綺麗なアパートが建っていた。

「あ、家ね。ここ・・ね。」
そーだ、家まで送って来たんだった。
なにボケッとしてんだ、オレ。

「送ってくれて、ありがとうございました。ナランチャ。」
はまた、行儀良く、ぺこり、と、おじぎをする。
俺らなんかと違って、育ちの良さが醸し出されている。

「いや・・別にこれくらい・・・
 この辺はブッソーだからな。気をつけなよ。」
オレは、なんだか分からないが、赤くなった顔を見られたくなくて、
そっぽを向いて応えた。

「はい。それじゃ・・」
そう言って、手を振りながら、はアパートの中へと消えていった。

「ああ。またな・・・」
聞こえるか聞こえないかの声で、オレはに挨拶した。
なんか・・すげえかっこ悪くないか?オレ。

の消えたアパートを暫く眺めて、そして、オレは、皆の居る店へと戻った。




TO BE CONTINUED


☆☆☆

ナランチャの夢小説は本当に少ないので、自分で書いてみました☆

↓宜しければ感想などどうぞ♪


【戻】