問2


「倶利伽羅はのこと好きなのかい?」
光忠と二人で盃を交わしていると、何の脈略もなくそう切り出してきた。
喉に酒が詰まり少しだけムセたが、敢えて平静を保って、「別に・・・」とだけ応えた。耳が熱くなるのが自分でも分かり嫌になる。
「見え透いたウソを・・・」
光忠の片目が光る。
「オレはホントに何も・・・」
ムキに反論すると「じゃ・・僕貰おうかな・・・」ニヤリと笑う。
背中がゾクリとした。
この目は本気かもしれない。光忠が相手では適わないかもしれない。
だが。それでも・・・
譲りたくない。
「ダメだ」
短く応えると、グイと盃の酒を飲み干した。
「え、だって倶利伽羅、別にのこと何とも・・・」
「それでもダメだ」
オレが遮ると、少しムッとしたようだ。
「何だい倶利伽羅、自分の気持ちもハッキリしないで」
「・・相手は審神者だ、オレがどうこうできるわけじゃ・・・」
「そんなんじゃないだろ!審神者でもまだ若い女の子なんだぞ!好きな男と結ばれてもいいハズだ!!」
もごもご言い訳するオレにカブせて光忠が珍しく語気を強める。
「・・・で、どうなんだ?のこと。好きなんだろ?」
もう、観念するしかなかった。
「・・・あぁ、・・・」
正直に認めてしまえば、何てことなかった。胸のつかえが取れたように清々しかった。
「いつ伝えるんだい?」
「・・伝えなければいけないのか?」
「そりゃそうだろ?相思相愛なんだから」
何を根拠に、・・と呆れつつも、もしそうならイイ、と淡い希望を胸に、
「・・戦が終わったら・・?」
「それじゃ遅すぎるよ」
「・・近いうちに、必ず」
「うん」
光忠は満足そうに盃を空にした。
なんだかコイツにしてやられた感があるが・・まァ悪くない。
オレは盃を酒で満たした。



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