結論


光忠にそそのかされて(?)に気持ちを打ち明けると約束してから数日経つが未だその機会を得られずにいる。
光忠に会えば「もう言ったのかい?」「まだかい?」と催促されて辟易していた。
もう放っておいて欲しい。

鍛錬を終えて縁側を歩いていると、池の端で佇んでいるを見つけた。
シャツの裾で顔の汗を拭きつつ庭に下りるとがこちらを振り向いた。
途端、顔を赤くしてそっぽを向く。
「あ?」
「あ・・あの、大倶利伽羅さん、・・シャツ・・・」
「シャツ?」
「・・・おへそが見えてます」
あぁ、と納得する。
シャツをめくってたから、か。こんなんで恥ずかしがるんだな・・と、愛しく思った。
「もう大丈夫だ」
裾を整え、の目をこちらへ向ける。
この目がオレだけ見てればいいのに。ぼんやりとそう思った。
不意にが懐から手拭いを出すと、オレの額の汗を拭き始めた。
あまりの近さに心臓が跳ねる。
「ありがとうございます、いつも、こんなに一生懸命・・・」
柔らかく笑うの言葉に、オレは少し不満だった。
「審神者としてか?」
「・・え・・・?」
「オレは確かに刀剣だが・・闘う為の道具ってだけの存在か?」
「そんなこと・・一度も思ったことありません!大倶利伽羅さんも、皆さんも・・・!」
の「皆さんも」という言葉がまた引っかかる。
「オレはアイツらと一緒か?」
「えっ?」
「アイツらと一括りか?!」
語気を荒くしてに詰め寄る。
困惑した顔をしている。そんな顔させたくないのに。
「オレはアイツらと同じでは嫌だ。オレだけを見てくれ」
我儘な心情を吐露し、手を引いて握り締めると、の頬が一気に紅く染まった。
「なぁ、・・・」
顔を見ながらは流石に言えやしない。
の肩口に顔をうずめながら、
「オレのものになってくれ」
耳元で小さくそう呟くと、耳まで真っ赤にしたは、こくこくと頷きながらオレの胸に身を預けた。
汗をかいていたことを思い出し、「すまん、オレ、汗を・・」「いいえ、構いません」
より一層オレに寄り添う。
刀剣たちと違う、柔らかい体と芳しい香りでオレはどうにかなりそうだった。
愛しい気持ちで胸が苦しくなり、思わずを強く抱き締めた。

後ろで光忠が見ていたとも知らずに・・・・



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