いちごとオレンジ


ある日。
がいつものように、ニコニコと屋敷を訪れた。
いや、いつも以上の笑顔だ。

「なにかいいことでもありましたか??」

「えへへ・・・・
 今日はね、黒白さんにプレゼントがあるのです」

エリシュカ様のご学友とは言え、あまり裕福では無いと聞いているの家。

「そんな、・・・お気遣い頂かなくても・・・・」

「いいの。私からのほんの気持ちだから。
 黒白さん、後ろ、向いて下さい」

「?
 こ、こうですか?」

私はに背中を向けた。

「そう、そして、ちょっと屈んで下さい、
 黒白さんは背が高いから・・・・」

言われるままに、腰を落とした。
すると・・・・

後ろで結んでいる髪を解かれた。
不思議に思っていると、今度はが丁寧に結んでくれた。

「黒白さんの髪って、とってもキレイですよね、私、大好きです。
 今、結んだゴムは、私が選んだんです、黒白さんの髪に合うような、キレイなオレンジ色ですよ」

私はの方に向き直り、ついばむようにキスをした。

「ありがとう、。とても嬉しいです、大事にしますね」

私の言葉が嬉しかったのか、も私に微笑んだ。

「そうだ。、後ろを向いて下さい」

不思議がりながらも、今度はが後ろを向いた。
の手から受け取った、今まで自分の髪を結んでいたゴムで、
今度はの髪をしばった。
しかも、自分と同じように。

「ふふっ、お揃いですね」

そう言い、笑みを浮かべると、はいちごのように真っ赤になった。




☆☆☆

黒白さんの背後をとれるのはちゃんだけだと思ってます。


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